LUNA TECH / COLUMN
会社専用AIとは:会社の記憶と仕事の型を持つAI
会社専用AIとは、会社・顧客・過去の判断などの「会社の記憶」と、日々の「仕事の型」を蓄積し、次の仕事に使うAIです。チャットAIのメモリー機能や社内文書検索との違い、向いている会社、選ぶときの確認項目を説明します。
この記事の目次
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ANSWER / この記事の結論
会社専用AIとは、会社・顧客・過去の判断などの「会社の記憶」と、日々の業務で培われた「仕事の型」を蓄積し、次の仕事に使うAIです。 毎回事情を説明し直さなくても、会社の文脈を踏まえて調査や資料作成を進めます。 チャットAIのメモリー機能や社内文書検索とは、覚えるものと、覚えたものの使い方が違います。
01会社専用AIとは何か
会社専用AIは、ひとつの会社の文脈を受け継いで、日々の仕事を一緒に進めるAIです。
一般的なチャットAIは、誰が使っても同じ状態から始まります。会社の事情は、使う人がその都度伝えます。会社専用AIは逆です。会社の事情を先に持っていて、その上で仕事を進めます。
会社でAIを使うときに、現場でよく起きる課題は次の4つです。
- 会社の情報が、資料や会話に分散している
- AIを使うたびに、事情を説明し直す必要がある
- AIに詳しい担当者がいない
- 異動や退職で、ノウハウが失われる
私たちは、課題の本質はAIの性能だけではないと考えています。「会社の情報や仕事の進め方を、どうAIにつなげるか」です。会社専用AIは、このつなぎ目を担うAIです。
AIの性能は上がり続けています。それでも、性能が高くなるだけで、会社の仕事が自然に変わるわけではありません。顧客とのこれまでの経緯。過去の判断。なぜその方法で進めているのか。こうした会社の記憶とAIがつながって初めて、AIは会社の仕事を支える存在になります。
02会社専用AIが蓄積する2つのもの
会社専用AIが蓄積するのは、「会社の記憶」と「仕事の型」の2つです。
会社の記憶。会社・顧客・過去の判断のことです。顧客とのこれまでの経緯、過去に下した判断、なぜその方法で進めているのか。こうした情報は、担当者の頭の中や、過去のメールと資料の中に散らばっています。会社専用AIは、これを次の仕事で参照できる形で持ちます。
仕事の型。繰り返す仕事の進め方のことです。AIが作った成果物を、人が確認して直します。その結果と、直した理由が残ります。次に同じ種類の仕事をするとき、AIはその型から始めます。
たとえば、月次の報告資料をまとめる場面です。1回目は「先月の数字はこの表から取る」「この顧客には要点を先に書く」と人が直します。2回目からは、その直し方が型として残っています。「月次資料をまとめて」の一言で、前回の直し方を踏まえた下書きが出てきます。
03メモリー機能や社内文書検索と何が違うか
違いは、覚えるものと、仕事のあとに何が残るかです。
「AIに覚えさせる」方法は、大きく3つあります。一般的な整理は次のとおりです。
| 項目 | チャットAIのメモリー機能 | 社内文書を検索して答えるAI | 会社専用AI |
|---|---|---|---|
| 覚える・参照するもの | 利用者の好みや前提 | 社内に保存された文書 | 会社・顧客・過去の判断と、仕事の進め方 |
| 主な使い方 | 毎回の説明を減らす | 社内の情報を探して答える | 会社の文脈を踏まえて、調査や資料作成を進める |
| 仕事のあとに残るもの | 会話の履歴 | 文書は元のまま | 人が直した結果と、その理由 |
| 向いている場面 | 個人の作業 | 規程やマニュアルの問い合わせ | 顧客ごとの経緯や判断が絡む、繰り返しの仕事 |
この3つは優劣ではなく、役割の違いです。併用もできます。各サービスの機能の詳細は、それぞれの提供元の案内をご確認ください。
見分けるときの問いは1つです。「AIが作ったものを人が直したあと、その直し方は次の仕事に使われるか」。使われるなら、それは会社専用AIの働き方です。
04会社専用AIで変わる3つの場面
変わるのは、会社の事情を知っている人にしかできなかった仕事です。
提案書を作る場面。これまでは、担当者が過去のメールと資料を探し、顧客の事情を思い出してから書き始めていました。会社専用AIは、その顧客との経緯と、前回の提案で直した箇所を踏まえて下書きを作ります。担当者は、確認と修正から始められます。
月次の資料をまとめる場面。毎月、同じ手順を同じ人が繰り返していました。会社専用AIでは、先月の直し方が型として残っています。数字の出どころや、書く順番を、毎回説明する必要がありません。
仕事を引き継ぐ場面。異動や退職があると、判断の理由が担当者と一緒に消えていました。会社専用AIには、過去の判断と、その理由が残っています。後任の人は、「なぜこの顧客にはこの進め方なのか」を、記録から確かめられます。
たとえば、顧問先30社を持つ士業の1人事務所を想定します。顧問先ごとの相談内容と対応を、Luna AI に記録・蓄積していきます。目指すのは、顧問先ごとの「前回どう答えたか」を、聞かれる前に引ける状態です。問い合わせへの対応と、資料作成の重複が減っていきます。
05会社専用AIが向いている会社・向いていない会社
向いているのは、顧客ごとの経緯や判断が、特定の人の頭の中にある会社です。
向いている会社
- 少人数で、同じ人が営業も事務も担っている
- 顧客ごとの経緯や判断が、担当者の頭の中にある
- 提案書・月次資料・議事録など、繰り返す資料作成が多い
- AIに詳しい担当者がいない
- 異動や退職のたびに、引き継ぎで苦労している
向いていない会社
- 単発の調べものや翻訳が中心で、会社の事情が関係しない
- 仕事の記録を残す必要がない
後者の場合は、汎用のチャットAIで足ります。会社専用AIは、記録が蓄積するほど力を発揮するAIだからです。
06AIに任せることと、人が決めること
会社専用AIは仕事を進めますが、最終の判断と承認は人が持ちます。
任せる範囲と、人が決める範囲は、次のように分けます。
- AIに任せる: 調査、情報の整理、資料の下書き、記録、手順の整理
- 人が決める: 成果物の確認と修正、外部への送信や公開の承認、顧客への判断
外部に出す資料は、人が内容を確認してから使います。この分担があるから、AIが直された理由を次の仕事に活かせます。
見積書をメールで送る場面で考えます。AIが作るのは、下書きまでです。金額と宛先を確認して、送信を承認するのは担当者です。
記録の扱いも、人が決めることのひとつです。誰が見られて、誰が直せるか。会社のルールとして、先に決めておきます。
07会社専用AIを選ぶときに確認する5つの項目
会社専用AIを名乗るサービスを比べるときは、次の5つを確かめます。
- 何を記憶するか。文書だけか。顧客との経緯や、過去の判断まで扱うか
- 人が直した内容が、次に使われるか。直した結果と理由が残り、次の仕事の進め方に反映されるか
- 依頼のしかた。普段の言葉で頼めるか。専門的な指示文や、設定の知識が必要か
- 外部への操作の扱い。送信や公開の前に、人が承認する仕組みがあるか
- 記録の置き場所。記録とファイルがどこに置かれ、誰が見られるか
とくに2つ目が、会社専用AIかどうかの分かれ目です。記憶するだけで、直した内容が次に活きないなら、毎回の手直しは減りません。
08始め方:1つの仕事から育てる
会社専用AIは、最初から会社のすべてを覚えさせる必要はありません。1つの仕事から始めます。
- 繰り返す仕事を1つ選ぶ。月次資料、議事録、提案書など
- 過去の資料を渡す。前回の成果物と、関係する顧客の情報
- AIの下書きを、人が直す。直した理由も伝える
- 次の回で、「前と同じで」を試す。直した内容が反映されているかを確かめる
最初の仕事は、頻度が高く、毎回の説明が面倒なものを選びます。型が育つのが早く、違いを確かめやすいからです。
Luna AI の場合、業務スキルは導入の直後から使えます。記録と型が蓄積するほど、説明の繰り返しと抜け漏れを減らしやすくなります。
09Luna AI は会社専用AIのひとつ
私たち株式会社Luna Tech の Luna AI は、会社専用AIとして開発しているサービスです。特徴は4つあります。
- 会社の情報を「長期記憶」として活用する
- 成果物を作って終わらず、「仕事の型」を育てる
- 調査・資料作成・業務整理を、普段の日本語で依頼できる
- 送信・公開などの重要な外部操作は、本人が承認する
65種類以上の業務スキルと業種パックが最初から入っています(2026年9月時点)。専門的なプロンプト(AIへの指示文)やプログラミングの知識は前提にしていません。
動作するのは Mac または Windows のパソコンです。Anthropic社の Claude Code や OpenAI社の Codex など、既存のAIツールを土台に動きます。ファイルと記憶は手元のパソコンの中に置かれ、AIの応答にはインターネット接続が必要です。
送った内容がどう扱われ、学習に使われるかは、お使いのツールの提供元の方針と、あなたの設定によって決まります。Luna AI が記録とファイルを手元に置く設計にしているのは、その選択をあなたの手元に残すためです。
テスト導入では、次の記録があります。
- 不動産事業者1社・30日間: 25件、合計約50時間分の業務を記録。追客確認の通知化、内見準備、議事録作成などに活用
- 経理・業務支援事業者1社・1週間: 業務の「型」が1件から11件に増え、14件の記憶が追加
これらは少数の事業者を対象にした検証段階の記録で、効果を保証するものではありません。効果は業務内容と利用条件で変わります。
10よくある質問
会社専用AIとは何ですか?
会社・顧客・過去の判断などの「会社の記憶」と、日々の「仕事の型」を蓄積し、次の仕事に使うAIです。毎回事情を説明し直さなくても、会社の文脈を踏まえて調査や資料作成を進めます。最終の確認と承認は人が行います。
チャットAIのメモリー機能と何が違いますか?
覚えるものと、仕事のあとに残るものが違います。メモリー機能は一般に、利用者の好みや前提を覚えて、毎回の説明を減らすための機能です。会社専用AIは、会社・顧客・過去の判断と、人が直した結果と理由を蓄積し、次の仕事の進め方に使います。各サービスの機能の詳細は、提供元の案内をご確認ください。
小さな会社でも使えますか?
使えます。Luna AI は会社の規模や役職で対象を絞っていません。普段の日本語で依頼でき、導入時には初期設定サポートがあります。AIに詳しい担当者がいない会社でも始められます。
