LUNA TECH / COLUMN
税理士事務所のAI活用:記帳の先にある「顧問先の記録」
税理士事務所のAI活用で次に効くのは、記帳の自動化より先の「顧問先ごとの判断と説明の記録」です。士業の1人事務所(顧問先30社)の導入イメージをもとに、前回どう答えたかを引ける状態の作り方と、データの置き場所を解説します。
この記事の目次
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ANSWER / この記事の結論
税理士事務所のAI活用で、次に効くのは記帳の先にある「顧問先ごとの記録」です。記帳や仕訳の自動化はすでに進んでいます。残っているのは、顧問先ごとに「前回どう説明したか」を探す時間です。Luna AIは税務の判断をしません。判断と説明の記録を、次に引ける形で手元に蓄積します。
01税理士事務所のAI活用は記帳の先にある
記帳の自動化で減らなかった時間は、「顧問先ごとの対応を思い出す時間」です。
一人〜数名の税理士事務所や会計事務所で、記帳や仕訳の自動化はすでに当たり前になっています。会計ソフトが明細を取り込み、仕訳の候補を出す。ここは、AIに任せる話がもう済んでいる領域です。
それでも夜が遅くなるのはなぜでしょうか。理由は、顧問先ごとに違う「前回の話」にあります。
- 顧問先Aには、役員報酬の考え方をどう説明したか
- 顧問先Bの決算で、前期に何を指摘したか
- 顧問先Cから同じ質問が来たとき、前回なんと答えたか
これらは会計データには残りません。メールや手帳、自分の頭の中に散らばっています。探す時間と、探せずに一から説明し直す時間。ここが記帳の先に残っている仕事です。
Luna AIが扱うのはこの部分です。Luna AIは、株式会社Luna Techの会社専用AIで、毎日の仕事を任せられる「育つAIの右腕」です。会話から仕事の進め方・判断・結果を自動で記録し、次に使える形で手元に蓄積します。税理士事務所の業務効率化では、この記録の部分が記帳の次の一手になります。
02顧問先30社を一人で回すときに起きること
一人で顧問先30社を持つと、「同じ説明を二度する」と「資料を二度作る」が毎月起きます。
顧問先が30社あれば、月次の連絡だけで30通りの文脈があります。それぞれに前回の相談、前回の回答、前回渡した資料があります。一人で回している限り、この文脈を持っているのは自分の記憶だけです。
たとえば、こんな場面です。
- 顧問先から「この経費は落ちますか」と聞かれる。以前に似た質問へ答えた記憶はあるが、何と答えたか正確に思い出せない。メールを検索し、見つからず、もう一度調べて答える
- 決算説明の資料を作る。前期に作った資料の構成を思い出せず、ゼロから組み直す
- 担当者が変わった顧問先から、前任の担当者に伝えた内容をもう一度聞かれる
一つひとつは小さな重複です。ただ、30社分が毎月積み重なると、記帳の自動化で浮いた時間が消えていきます。
問題は「忘れる」ことではありません。忘れないために記録しても、その記録が引ける形になっていないことです。
03導入イメージ:問い合わせと資料作成の重複を減らす
顧問先30社を持つ士業の1人事務所を例に、記録を蓄積すると何が変わるかを見てみます。想定の例で、実際の導入結果ではありません。
- 想定: 士業・1人事務所(顧問先30社)
- 取り組み: 顧問先ごとの相談内容と対応を、Luna AIに記録・蓄積する
- 変化: 問い合わせ対応と資料作成の重複が減っていく
- 目指す状態: 顧問先ごとの「前回どう答えたか」を、聞かれる前に引ける
顧問先ごとの相談と対応を記録するという構図は、税理士事務所にそのまま当てはまります。
注目したいのは「聞かれる前に引ける」という部分です。顧問先から連絡が来たとき、前回の対応を先に確認してから返事ができます。この順番が変わるだけで、返答の速さと説明の一貫性が変わります。
04「前回どう答えたか」が引ける状態の作り方
引ける状態を作る手順は、「顧問先ごとに、対応した内容をその場で残す」の一つだけです。
Luna AIでは、次のように進めます。
- 顧問先から相談を受けたら、Luna AIに普段の言葉で状況を伝える。「A社から役員報酬の質問。こう答えた」で足ります。複雑な指示文は要りません
- Luna AIが会話から、相談内容・自分の判断・回答を記録として整理する。会話履歴ではなく、実務に使える形で蓄積される
- 次に同じ顧問先から連絡が来たら、「A社の前回の相談は」と聞く。記録が引ける
- 決算説明の資料など、毎年繰り返す仕事は自動で手順化される。翌年は「前と同じで」で通じる
押さえておきたい点は2つです。
- 記録は「書く」のではなく「話しているうちに残る」。記録専用の時間を作ると続きません
- 記録は顧問先ごとに引ける形で蓄積される。会話の流れの中に埋もれません
一般的なチャットAIでは、会話履歴は残っても、顧問先ごとに判断を引き出せる形にはなりません。Luna AIとの違いは、この「次に使える形」にあります。
05判断はAIがしない、判断の記録をAIが持つ
税務の判断は税理士がします。Luna AIが持つのは、その判断の記録です。
ここは誤解が起きやすいので、はっきり書きます。Luna AIは税務判断をしません。「この経費は損金にできるか」を決めるのは、税理士であるあなたです。
Luna AIがするのは次のことです。
- あなたが下した判断と、その理由を記録する
- 顧問先に説明した内容を、顧問先ごとに残す
- 次に似た相談が来たとき、前回の判断と説明を引き出す
- 抜け漏れ点検の業務スキル(仕事の種類ごとに用意された機能)で、対応の抜けを確認する
判断の一貫性は、税理士事務所の信頼そのものです。前回と今回で説明が食い違えば、顧問先は不安になります。判断の記録が手元にあれば、その食い違いを防げます。
「AIに判断を任せる」のではなく、「自分の判断をAIに覚えさせる」。税理士事務所でのAI活用は、この順番です。
06守秘とデータの置き場所
Luna AIでは、記録とファイルは利用者のパソコンの中に保管されます。
税理士事務所で一番気になるのは守秘義務です。顧問先の財務情報や相談内容を、外部のサービスに預けてよいのか。この不安は当然です。
Luna AIのデータの扱いは、公式に次のように説明されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 記録とファイルの保管場所 | 利用者のパソコンの中 |
| 動作環境 | MacまたはWindowsのパソコン。スマホアプリではない |
| インターネット接続 | 必須。ネットを切った状態では使えない |
| 土台 | Anthropic社の Claude Code や OpenAI社の Codex など、既存のAIツール |
つまり、顧問先ごとの記録や資料は、手元のパソコンに残ります。一方で、AIへの問いかけはインターネット経由で処理されます。送った内容がどう扱われ、学習に使われるかは、お使いのツールの提供元の方針と、あなたの設定によって決まります。Luna AI が記録とファイルを手元に置く設計にしているのは、その選択をあなたの手元に残すためです。
事務所として決めておきたいのは、次の2点です。
- どの情報をLuna AIに伝えるか(顧問先名を出すか、番号で管理するか)
- 記録を置くパソコンの管理(持ち出し・バックアップのルール)
置き場所が手元にあることと、運用ルールを決めること。この2つがそろって、守秘と業務効率化が両立します。
07よくある質問
税理士事務所でAIを使うと、税務判断まで任せることになりませんか。
なりません。Luna AIは税務判断をしません。判断するのは税理士で、Luna AIはその判断と説明の記録を持ちます。次に似た相談が来たとき、前回の判断を引き出すのが役割です。
記帳ソフトのAI機能とは何が違いますか。
扱う領域が違います。記帳ソフトは仕訳や明細の処理を自動化します。Luna AIは、顧問先ごとの相談内容・判断・説明といった、会計データに残らない部分を記録します。両方を使い分ける形になります。
顧問先の情報を外部に預けることになりませんか。
記録とファイルは、利用者のパソコンの中に保管されます。ただしインターネット接続は必須で、AIへの問いかけはネット経由で処理されます。どの情報をLuna AIに伝えるかのルールを、事務所として導入前に決めておくことをおすすめします。

