LUNA TECH / COLUMN
事務員を雇う前にAIで切り分ける
事務が回らず人を雇うか迷ったら、先に「人でないと無理な事務」と「そうでない事務」を切り分けます。AIに渡した後に本当に人が要る仕事が見え、雇うと決めた後も引き継ぎが楽になります。雇用を否定しない切り分け方を解説します。
この記事の目次
CONTENTS

ANSWER / この記事の結論
事務員を雇うか迷ったら、先に「人でないと無理な事務」と「そうでない事務」を切り分けます。 そうでない事務をAIに渡してみると、本当に人が要る仕事の量と中身がはっきりします。 この記事は雇用を否定するものではありません。雇うかどうかを、勘ではなく切り分けた結果で決めるための手順です。
01雇うか迷ったら最初にやる切り分け
最初にやるのは、今抱えている事務を書き出して「人でないと無理か」で二つに分けることです。
小規模法人の社長の状況は、「人に頼むほどでもない仕事が山積み」です。一つひとつは小さい。でも合計すると夜や休日に食い込みます。この段階で「事務員を雇うべきか」と考え始める社長は多いです。
迷う理由は、事務の中身が見えていないことにあります。「事務が回らない」という感覚はあっても、何にどれだけ時間がかかっているかは把握していない。だから、雇う判断も外注する判断もできません。
手順は3つです。
- 書き出す — 1週間分の事務を、思い出せる範囲で全部書き出します。見積書、日報、請求の確認、問い合わせの返事、資料探し、といった粒度で構いません。
- 分ける — 一つずつ「人でないと無理か」を問います。判断・対面・責任が絡むものが「人」、そうでないものが「渡せる」です。
- 渡せる側を先に試す — 渡せる側をAIに渡してみます。雇う判断は、その後でも遅くありません。
たとえば、従業員が数名いる建設会社の社長です。現場を見て、夕方に事務所へ戻り、夜に見積書と日報を書いています。書き出してみると、「見積書の下書き」「日報の整理」「材料屋への確認」「元請けへの返事」が並びます。このうち、下書きと整理は「渡せる」側です。
02人でないと無理な事務・そうでない事務
人でないと無理なのは、判断・対面・責任が絡む事務です。それ以外の多くは、下書きと整理の仕事です。
| 分け方 | 人でないと無理な事務 | 渡せる事務 |
|---|---|---|
| 判断 | 受けるか断るか、金額の確定、優先順位 | 判断のための材料集め、前回との比較 |
| 対面 | 来客の対応、電話での謝罪、現場の立ち会い | 対応後の記録、次回に向けた整理 |
| 責任 | 契約書の押印、送信の最終確認、支払いの実行 | 下書きの作成、期限と抜け漏れの点検 |
会社専用AIの Luna AI(株式会社Luna Tech)には、次の業務スキルが最初から入っています。調査/見積書・提案書/議事録/記録整理/振り返り/抜け漏れ点検/クレーム初動/資金繰り点検などです。業務スキルとは、特定の仕事の進め方をあらかじめ覚えている機能のことです。表の右側は、おおむねこの範囲に入ります。
注意したいのは、渡せる事務にも「最後に人が見る」工程が残ることです。見積書の下書きはAIが作れますが、金額を確定するのは社長です。クレームの初動を整理するのはAIができますが、謝りに行くのは人です。渡せる事務とは「全部任せられる事務」ではなく、「人の工程を最後の確認だけにできる事務」です。
たとえば、士業の1人事務所で顧問先からの問い合わせを受ける場面です。回答そのものは先生の責任です。ただ、「前回この顧問先にどう答えたか」を探す作業は、記録が残っていれば人がやる必要はありません。
03AIに渡した後に見える「本当に人が要る仕事」
渡せる事務をAIに渡すと、残った仕事の中身が「人が要る理由」ごとに見えてきます。
雇う前に切り分ける一番の理由がここにあります。下書きと整理をAIに渡すと、社長の手元に残る仕事は次のどれかです。
- 判断が要る仕事 — 受注可否、価格、優先順位。これは社長が続ける仕事です
- 対面が要る仕事 — 来客、電話、現場。誰かに任せるなら、人です
- 時間帯が要る仕事 — 社長が現場にいる日中に、事務所で電話を受ける。これも人です
導入イメージを一つ挙げます。想定の例で、実際の導入結果ではありません。建設業・従業員5名の会社で、見積書と日報を社長ひとりで回しているとします。Luna AIで見積書の「型」を育てると、夜に作っていた見積書は、翌朝に下書きを確認する仕事に変わります。
この会社が雇うかどうかは別の話です。大事なのは、夜の見積書作成が「人でないと無理な仕事」ではなかったと分かる点です。切り分けずに雇えば、この仕事を含めて人に頼むことになります。
渡した後に残った仕事を見て、初めて「雇うなら何を頼むか」が決まります。求人の内容も、パートか正社員かも、外注で足りるかも、ここから判断できます。
04雇うと決めた後もAIが役立つ理由
雇うと決めた後にAIが役立つのは、社長の頭の中にあった手順と判断が、すでに記録として残っているからです。
事務員を迎えるときに一番時間がかかるのは、引き継ぎです。社長しか知らない「この元請けには先に電話を入れる」「この顧問先は前回こう答えた」といった判断が、口頭で伝えられます。伝え漏れは、後から問題として出てきます。
Luna AIは、会話から仕事の進め方・判断・結果を自動で記録し、繰り返す仕事を手順として型にします。これは「育つ」の3段階のうち、記録を残す・手順の型化にあたります。人を迎える前にこの記録があると、次のことが変わります。
- 引き継ぎの材料が、社長の記憶ではなく記録になります
- 新しい人が「前回どうしたか」を、社長に聞かずに確かめられます
- 社長が不在の日も、手順が型として残っています
プランはひとつ(スタンダード)です。複数名・部署単位で使う会社も、同じプランをアカウント数分で使えます。複数名での導入の進め方は、担当者からご案内しています。
雇うか、雇わないか。どちらの答えでも、先に切り分けておいた事実は無駄になりません。
05よくある質問
事務員を雇わずに、事務作業を回す方法はありますか?
事務を「人でないと無理か」で分け、下書きと整理の仕事をAIに渡すのが第一歩です。判断・対面・責任が絡む仕事は社長に残ります。残った量を見て、人が要るかどうかを決めます。
AIに事務を渡すと、事務員は要らなくなりますか?
要るかどうかは、渡した後に残る仕事で決まります。日中の電話対応や来客など、対面が要る仕事が多い会社では人が必要です。AIは、雇う前の切り分けと、雇った後の引き継ぎを楽にする役です。
パートや外注と、AIはどう使い分ければいいですか?
下書き・整理・点検はAI、対面と判断は人、という分け方が基本です。外注は、専門性が要る仕事に向いています。切り分けた結果を見て、三つを組み合わせるのが現実的です。