LUNA TECH / COLUMN
クレーム対応の初動をAIと組む:一人社長の手順
クレームが来たとき最初にやるのは謝罪文の作成ではなく、事実確認・期限・連絡順の3つを決めることです。一人社長が慌てずに、AIと初動を組む手順と、前回の対応の記録が再発防止につながる仕組みを解説します。
この記事の目次
CONTENTS

ANSWER / この記事の結論
クレームが来たとき、最初にやることは謝罪文を書くことではありません。 「事実確認」「期限」「連絡順」の3つを決めることです。 AIはこの3つを落ち着いて並べる役、決めるのは社長です。前回の対応が記録に残っていれば、同じ失敗を繰り返さずに済みます。
01一人でクレームを受けると何が起きるか
一人でクレームを受けると、判断と感情と作業が同時に押し寄せて、順番が崩れます。
会社に事務員も担当者もいなければ、電話を取るのも、謝るのも、原因を調べるのも、全部あなたです。相談する相手が社内にいません。
そのとき起きやすいことを挙げます。
- 事実を確かめる前に謝ってしまい、後で話が食い違う
- 「いつまでに返事するか」を言わないまま電話を切る
- 関係者(外注先・仕入先・現場)への連絡が後手に回る
- 対応に頭を取られ、その日の他の仕事が止まる
- 対応が終わると安心して、何も記録に残さない
たとえば、従業員が数名の建設業で、施工後のお客様から「仕上がりが違う」と連絡が来たとします。社長は現場に出ています。電話口で謝りながら、頭の中では「誰が施工したか」「図面はどうだったか」「今日の現場をどうするか」が同時に回ります。この状態で正しい順番を組み立てるのは難しいことです。
問題は、社長の能力ではありません。一人で受けると、考える順番を整える時間がないことです。
02初動で決めることは3つだけ
クレームの初動で決めるべきことは、「事実確認」「期限」「連絡順」の3つだけです。
謝罪の文面や補償の内容は、この3つが決まった後の話です。
- 事実確認。何が、いつ、どこで起きたと相手は言っているか。こちらで確かめられる材料は何か(写真・伝票・記録・図面)
- 期限。相手にいつまでに一次回答をするか。社内で事実を確かめる期限はいつか
- 連絡順。誰に、どの順番で連絡するか。相手への一次連絡、外注先や仕入先への確認、必要なら保険や専門家
この3つが決まると、対応は「作業」に変わります。慌てている状態から、順番に片づける状態に移れます。
逆に言えば、3つが決まらないまま謝罪文を書き始めると、内容が曖昧になります。事実が分からないまま書く文章は、相手にも伝わりません。
03AIに並べさせる・人が決める
AIの役割は「並べる」ことで、「決める」のは社長です。
会社専用AIの Luna AI(株式会社Luna Tech)には、「クレーム初動」の業務スキルがあります。クレームの内容を普段の言葉で伝えると、AIは次のことを行います。
- 相手の主張と、こちらで確認できる事実を分けて並べる
- 確認すべき項目をリストにする
- 期限を決めるための問いを返す(「一次回答はいつにしますか」)
- 連絡先の候補と順番を提案する
- 一次連絡の文面の下書きを作る(送るかどうかは社長が決める)
伝え方は「さっき、お客様から仕上がりが違うと電話があった。初動を整理して」で十分です。複雑なプロンプト(AIへの指示文)は要りません。
AIがしないことも明確にしておきます。
| AIがすること | 社長が決めること |
|---|---|
| 事実と主張を分けて並べる | どの事実を優先して確かめるか |
| 確認項目をリストにする | 誰に確認を頼むか |
| 期限の候補を問う | 期限そのものと、相手への約束 |
| 連絡順を提案する | 実際に誰にどう伝えるか |
| 文面の下書きを作る | 送るかどうか、表現の最終判断 |
補償や責任の判断は、AIには任せません。相手との関係、契約内容、業界の慣習は、社長しか知らないからです。
04前回の対応が残っていると違うこと
前回のクレーム対応が記録に残っていると、初動の速さと精度が変わります。
一般的なチャットAIでは、会話履歴は残ります。ただし「前回のクレームで何を確認し、どう対応したか」を次に引き出すには、過去の会話をさかのぼる必要があります。履歴は流れていくもので、引ける形にはなっていません。
Luna AI は、会話から仕事の進め方・判断・結果を自動で記録します。クレーム対応も同じです。前回の記録が手元にあると、次のクレームで次のことが起きます。
- 「前回は写真と納品書で事実を確かめた」という手順が最初から出てくる
- 「前回は一次回答を翌日にした」という判断が参照される
- 同じお客様なら、前回の要望や経緯が先に引ける
- 「前と同じで」と言えば、前回の型で初動が組める
たとえば、士業の一人事務所で、顧問先から「先月の回答と言っていることが違う」と指摘されたとします。前回の相談内容と回答が記録に残っていれば、まず記録を確かめられます。記憶を頼りに答える必要がありません。
これは「育つ」の3段階のうち、2段階目の「手順の型化」にあたります。1回目の対応が、2回目以降の型になります。
05再発防止をルールにする
クレーム対応が終わったら、原因と対策を「ルール」として残します。これが再発防止です。
対応が終わった直後は、安心して忘れがちです。しかし、ここで残しておかないと、同じ原因で同じクレームが来ます。
Luna AI の「育つ」3段階の最後は「再発防止」です。失敗をルール化して、次に先回りします。具体的には、次の流れです。
- 対応が終わったら、原因を一言で残す(「仕様の口頭確認だけで、書面にしていなかった」など)
- 次から変える手順を決める(「仕様は書面で確認してから着手」)
- その手順を、関連する仕事の型に組み込む(見積の型・着手前の確認リストなど)
3番目が重要です。ルールを紙に書いても、次の仕事で思い出せなければ意味がありません。関連する仕事の型に組み込まれていれば、次に見積を作るときに「仕様の書面確認」が自動で出てきます。
「振り返り」と「抜け漏れ点検」の業務スキルも、この場面で使えます。対応の流れを振り返り、次に抜けそうな点を先に指摘させます。
06よくある質問
クレームが来たとき、最初に何をすればいいですか?
謝罪文を書く前に、「事実確認」「期限」「連絡順」の3つを決めます。相手の主張とこちらで確かめられる事実を分け、一次回答の期限を決め、誰にどの順で連絡するかを並べます。この3つが決まれば、対応は順番に片づける作業に変わります。
AIに謝罪文を書かせても大丈夫ですか?
下書きは作れますが、送るかどうかと表現の最終判断は社長が行ってください。事実が確かめられていない段階で書いた文章は、内容が曖昧になります。まず初動の3つを決めてから、下書きを使うのが安全です。
一人の会社でクレーム対応のマニュアルは必要ですか?
紙のマニュアルより、前回の対応が「引ける形」で残っていることのほうが役立ちます。Luna AI では対応の手順と判断が記録され、次のクレームで「前と同じで」と呼び出せます。原因と対策をルールにして仕事の型に組み込めば、再発防止にもつながります。