LUNA TECH / COLUMN
提案書をAIで作る:前回の提案を型にする
提案書をAIにゼロから書かせると薄くなります。材料は自分の過去の提案書です。前回の提案を型にして変える部分だけ直し、相手ごとの判断を記録しておく作り方を、ひとりで営業も提案もこなす人向けに解説します。

ANSWER / この記事の結論
提案書をAIで作るなら、ゼロから書かせるのではなく、自分の過去の提案書を材料にして「型」を作る方法が確実です。 AIにゼロから書かせた提案書が薄くなるのは、あなたの経験と相手の事情がAIの中にないからです。 この記事では、過去の提案を型にし、相手ごとに変える部分と、判断を記録しておく方法を説明します。
01AIに提案書を書かせると薄くなる理由
薄くなる理由は、AIが持っていないもの、つまり「あなたの過去の提案」と「相手の事情」を材料にしていないからです。
チャットAIに「このサービスの提案書を書いて」と頼むと、形は整った文章が返ってきます。読んでみると、どこかで見たような内容です。誰に出しても通用しそうで、誰にも刺さらない。ひとりで営業も提案もやっている人ほど、この薄さに気づきます。
薄くなる原因は3つです。
- 材料が一般論しかない — 業種の一般的な課題と、一般的な解決策の組み合わせになります
- 相手の事情が入っていない — 前回の打ち合わせで相手が気にしていた点は、伝えなければAIは知りません
- あなたの勝ち筋が入っていない — これまで通った提案に共通する構成や言い回しは、あなたの中にしかありません
たとえば、1人法人でコンサルティングをしている社長が、既存客に新しい提案を出す場面です。AIにゼロから書かせると、初対面向けの文章になります。ところが本当に必要なのは、「前回の提案で相手が乗ってきた部分を軸に、今回の課題に合わせて組み替えた提案書」です。この材料は、あなたの過去の提案書の中にあります。
02材料は自分の過去の提案書
提案書の材料として一番価値があるのは、あなたがこれまでに出した提案書、特に通った提案書です。
過去の提案書には、次のものが入っています。
- 通った構成 — 課題の置き方、解決策の順番、金額の見せ方
- あなたの言い回し — 相手に伝わった表現。AIの一般的な文章にはない癖
- 相手ごとの前提 — その相手に何を強調し、何を省いたか
- 通らなかった理由 — 見送られた提案から分かる、避けるべき組み立て
会社専用AIの Luna AI(株式会社Luna Tech)には、見積書・提案書を作る業務スキルが最初から入っています。業務スキルとは、特定の仕事の進め方をあらかじめ覚えている機能のことです。過去の提案書を渡すと、そこから構成と言い回しを材料にして下書きを作ります。
やり方は次の順番です。
- 過去の提案書を数件、AIに渡す。通ったものと通らなかったものを分けて伝える
- 共通する構成を「型」として整理させる
- 新しい相手の情報を普段の言葉で伝え、型から下書きを出す
- 下書きを直す。直した理由を一言残す
4番目が重要です。「この相手は数字より事例を好むから、事例を前に出した」と残せば、次の下書きに反映されます。直すたびに型が育ちます。
03型にしてから「変える部分」を決める
型ができたら、提案書ごとに変える部分と変えない部分を先に決めておくと、作る時間が読めるようになります。
| 部分 | 変えない(型が持つ) | 変える(相手ごとに直す) |
|---|---|---|
| 構成 | 課題→解決策→進め方→費用→次の一歩、の並び | 相手の課題に合わせた章の厚み |
| 課題の置き方 | 業種に共通する背景 | 前回の打ち合わせで相手が口にした言葉 |
| 解決策 | サービスの中身と進め方 | 相手の状況で優先する順番 |
| 事例・根拠 | 使える事例の一覧 | この相手に近い事例の選択 |
| 費用 | 見積の項目の組み方 | 今回の金額と条件(最終確認は自分) |
変える部分を先に決めると、AIへの指示も短くなります。「型のまま、課題の章だけ前回の打ち合わせの内容で差し替えて」で通じます。複雑なプロンプト(AIへの指示文)を書く必要はありません。
たとえば、フリーランスで制作の仕事をしている人が、リピートの客先に次の企画を提案する場面です。構成と実績の章は型のまま。課題の章だけ、前回の納品後に相手から聞いた不満を軸に書き換える。金額は見積の型から出して、自分で確定する。この分け方なら、提案書は「作る」ではなく「差し替えて確認する」仕事になります。
費用の部分だけは、必ず自分で最終確認します。提案書の金額は見積と同じく約束になるからです。
04相手ごとの判断を記録しておく
提案書の質を次に持ち越すには、相手ごとに「なぜそう書いたか」という判断を記録しておくことが欠かせません。
型は構成を覚えます。ただ、提案が通るかどうかを分けるのは、相手ごとの細かい判断です。
- この相手には、費用より効果を先に見せた
- この相手は、専門用語を嫌うので言い換えた
- 前回、この章は読まれていなかったので短くした
一般的なチャットAIでは、こうした判断は会話履歴の中に流れていきます。次の提案のとき、また思い出すところから始まります。
Luna AIでは、会話から仕事の進め方・判断・結果が自動で記録され、次に使える形で手元に蓄積されます。相手ごとの判断が残っていれば、次の提案で「この相手には前回こう判断した」が、聞かれる前に引けます。
これは「育つ」の3段階でいう、記録を残す・手順の型化・再発防止の流れです。通らなかった提案の理由をルールにしておけば、同じ組み立てを繰り返す失敗を先回りで防げます。
記録とファイルは、利用者のパソコンの中に保管されます。提案書には相手の事情が書かれているため、置き場所を手元にしておきたい人にとって確認したい点です。
05よくある質問
提案書をAIで作るには、何から始めればいいですか?
過去の提案書を数件、AIに渡すところからです。通ったものと通らなかったものを分けて伝えると、型の精度が上がります。ゼロから書かせるより、直す量が少なくて済みます。
過去の提案書が少ない場合はどうすればいいですか?
1件でも始められます。まず1件から型を作り、次の提案を出すたびに「直した理由」を一言残していきます。数を重ねるほど型が育つ仕組みなので、少ないうちに始めるほうが有利です。
AIが書いた提案書だと、相手に分かりませんか?
ゼロから書かせた場合は、一般的な文章になりやすく、分かることがあります。自分の過去の提案書を材料にし、相手の言葉で課題の章を書き換えれば、文章はあなたのものになります。最後に自分の目で通すことが前提です。